【創成川のルーツ】大友公園

大友亀太郎さんは、簡単に言うと「創成川と札幌市東区を作った人」です。

札幌中心部を流れる「創成川」は1866年(慶応2年)に幕府(箱館奉行石狩役所)の役人・大友亀太郎が札幌村(現在の札幌市東区)を開く際に開削した用水路・大友堀が前身であります。
そして、その大友堀の終点があった場所が、この「大友公園」となります。

幕末の話ですから、当然掘削機械なんてありません。まだ開拓史も置かれていない未開の地にショベルやツルハシなんかで掘り進んだなんて、想像を絶します。

時代は違えど、黒澤映画「生きる」の主人公とオーバーラップしてしまいます。
この人こそまさに開拓者ですね。

一見何の変哲もない公園ですが、大友氏に対する住民の思いが各所に散りばめられています。
「開拓者たれ」の精神がこの地で遊ぶ子供たちにも引き継がれていって欲しいですね!

2013年8月8日撮影
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大友氏の肖像。このなんともいえない優しい表情を見ると「生きる」の志村喬を思い出してしまいます。
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大友堀の東区側はすべて埋め立てられています。
創成川と伏古川が整備されて以降、役目を終えた旧大友堀は汚濁・悪臭が深刻になっていったんだそうです。

「この跡地は現在道道273号線(通称ファイターズ通り)となっている」とwikipediaに書いてあるのですが、古い資料を見るとルートが少し違う気がします(このページの一番下のマップ参照)。
当初のルートから徐々にずれていき、ファイターズ通りのルートに落ち着いたのかもしれませんね。

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<アクセス>

地下鉄「環状通東」駅からほど近いのですが、ちょっとわかりづらいかも。
水色の線は大友堀の流路(古い資料を元に推定)です。
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